3D関連最新情報トピックス(2010年4月〜7月)
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過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2011年7月〜12月
■ 2010年 3Dメガネ・コレクション...日本はデザインにもっと力を!(2010年7月31日)■
ニュージーランドでは売れ行き好調な3Dテレビのメーカー別シュアで韓国サムスンが98%を勝ち取ったと報じられている。その牽引役は、ソニーが独占撮影した
ワールドカップ南アフリカ大会の3D放送だったらしいということは何とも皮肉な話である。パナソニックもソニーも、即決・速攻のサムスン流経営・営業戦略に完全に
先を行かれた模様。私が関わっている国内での某プロジェクトでも、日本企業の進行の遅さはいつも気になっていること。プロジェクトに関わっている韓国企業からは毎週
セカされて「遅い、遅い」と責められている。
さて、先週、Bloodyさんの「3D VISION BLOG」に、3Dテレビも3D映画も好調なアメリカで、『映画館の3Dメガネはダサいから3D映画を観に行くときは
マイ3Dメガネを持って行きたい』というニーズに早くも応じたオシャレな3Dメガネ(円偏光レンズ)が発売されていることが掲載された。
コンタクトレンズと「レイバン」ブランドのサングラスで有名なボシュロム社が3〜4年前の経営戦略リポートで「今後の3D映画の普及に合わせて、自分専用の
3Dメガネへのニーズが高まるはずなので、そのニーズに対応する」と、レイバン・ブランドの3Dメガネの開発に着手することを宣言していたが、それに先んじて
「Gunnar Optiks社」と「MicroVision Optical社」からオシャレな3Dメガネが発売された。
Bloodyさんも言っているように、映画館(Real D方式)の3Dメガネ(中国で大量生産されているらしく1個5〜6セントらしい)は「掛け心地が悪く、かつ、醜い」と
感じている人は欧米でも多い。
昔からの3Dマニアには、『3Dメガネを掛けるのは、これから3Dを観るぞっていうテンションを上げるためにも必要な一種の儀式であり、
2Dの映画を観る時にポップコーンとコーラを買ってワクワク感を盛り上げるのと同じような意味がある』と考えている人も多いと思うが、
「アバター」や3Dテレビ発売以降に3Dに興味を持った人々にとっては、「第1に、3Dメガネを掛けること自体が面倒」であり
「第2に、3Dメガネのデザインがダサいし顔にフィットしない」という拒否反応が今も非常に大きい。
アメリカでパナソニックの3Dテレビが発表されたときから「グーフィーのような醜い3Dメガネ」(日本ならばさしずめ赤塚不二雄の「目玉のおまわりさん」のような)と、
そのデザインを酷評されていましたが、さて、ソニー、シャープ、東芝と液晶シャッターメガネ方式が出揃い、円偏光方式もNEC、富士通から発売されたので、
ここで一度、各社の3Dメガネのデザインを考えてみることにする。
■NDIVIA 3D VISION KIT 付属の液晶シャッターメガネ
さて、パソコンモニターがブラウン管だった頃には様々なデザインの液晶シャッターメガネが十数社から発売されていたが、当時もメガネのデザインに力を入れたものは
少なく、かつ、当時の液晶シャッターは小さく四角形だったので必然的にメガネのデザインは限られていた。
グラボメーカーから今や3Dで世界企業に成長したNDIVIAが、液晶モニターメーカーと協力して、液晶モニターで観られる3Dシステムを開発して発表し今に至るのが
この3Dメガネ。
過去にもワイヤレス方式の液晶シャッターメガネはあったが、NDIVIAのメガネは充電式バッテリーで40時間も稼動することや、シャッター面が大きく見やすくなり、
デザインもSFチックなものへの拘わりは控えて従来品のチープな感じが出ないように配慮し、その後の各社の液晶シャッター3Dメガネに影響を与えている。
それでは日本の「パナソニック」「ソニー」「シャープ」「東芝」の4社の液晶シャッターメガネを見比べてみよう。
なおここではデザインを考えることが目的で、偏光フィルターの多い・少ないによる明るさやクロストークの問題は一切考慮していません。
■パナソニックの初代液晶シャッターメガネ
欧米では「グーフィーのような」と形容されている初代モデル。
ツルの部分とレンズの部分が分離した形状は、かつてブラウン管CRT時代の3Dメガネにもあったもので、ニンテンドー初代ファミコンのオプションだった3Dゴーグル
もツルというかヘッドバンドとレンズ部が分離していたし、約10年前のI.O.DATAのPLAY3DPC付属の2つのメガネのうちの片方も分離スタイルだった。
それ自体は、近視や乱視や遠視用のメガネを常用している人がそのメガネの上から掛けるときには分離型の方が掛けやすいのだが、目玉のおまわりさん風につながった
レンズ部のデザインがどうなのか...ゴーグルを強調するのであればもっと直線的なデザインの方がカッコ良いと私は思う。
この初代モデルの電源は「使い捨てコイン電池」だったが、その後単品発売された第2世代モデルはNDIVA同様の充電式になり、デザインも少し直線基調となった。
■ソニーの初代液晶シャッターメガネ
2009年4月までは現在と異なり有沢製作所のXpol(エクスポール)フィルターを使った円偏光方式の3Dテレビを試作・公開していたソニーも、その後4倍速液晶技術を
活かし、メガネも液晶シャッター方式に変更して製品となった経緯があるが、短い開発期間の割には、ソニーらしいスッキリとしたデザインに仕上がっている。
しかし水色とかキッズ用のピンクとかが必要なのか(L、M、Sのサイズの違いを目立たせたいのだろうと思うが)が疑問だし、
メガネのデザインと水色やピンクがマッチしていないように思う。
■シャープの初代液晶シャッターメガネ
先行するパナソニックとソニーを参考に、形はパナソニックの第2世代モデル、色使いはソニーをまんまパクりました的なところが気になる。
もっと自由な発想で独自色を出したデザインにならないものだろうか。
■東芝の初代液晶シャッターメガネ
4社の中では一番「3Dメガネらしくないフツーなデザイン」。
日本人のメガネ装着者の多さを意識した「メガネの上から掛けやすい3Dメガネ」になるように少し工夫されたデザインらしい。
奇をてらっていないところに私は好感触を抱くが、4社の中で一番「3Dメガネがどっかにいっちゃった」みたいなことになりそうな感じも受ける。
■サムスンの初代液晶シャッターメガネ
3Dテレビの世界市場でダントツに売れている韓国サムスンの液晶シャッターメガネはどうか。
デザインはそれぞれ好みの問題だが、「液晶シャッターメガネの欠点はその重さ」のイメージを払拭しようと「軽く見えるデザイン」を図ったのは非常に
良いと思う。楕円を強調して可愛く見せた黄色いキッズモデルも3Dアニメを観る機会が多い欧米に受け入れられるには必要なのだと思う。
■NECと富士通の円偏光メガネ
メカを内蔵する必要の無い円偏光メガネはデザインの自由度が高いはずなのだが、NECはひたすらコストが掛からずかつ軽いことを重視したシンプルなデザイン。
普段は裸眼の人が3Dパソコンを見るときにこれを掛けていても、おそらく周囲の人は何ら違和感を感じない「頭良さそう」なデザインとも言える。
富士通は柴崎コウのテレビCMでご覧のとおり「メガネの上から掛けやすい大き目のサイズ」(写真がこれしか無い)
■ZALMANとAcerの円偏光メガネ
ZALMANの3Dモニターに付属している2つのメガネ。私は近視用メガネにクリップオン型を付けて編集しているが、1日に数百回も上げ下げしているので
約1年でクリップ部分のプラスチックが折れてしまい、現在は100円ショップのクリップオン型サングラスのクリップに付け替えて使用している。
また、ZALMAN付属メガネは「黄色かぶりする」「コントラストが低い」という特性があり、これは長時間ゲームをする場合を考慮した設定と思われます。
Acer3DノートPC付属のサングラス型はサイズが異常に小さい(Bloodyさんは「アジア人向け」と言っているがアジア人にも小さく「子供用」が正解と思える小ささ)。
一見、曲面レンズのようだが実際は平面レンズなのをフレームのデザインで処理している。クリップオン型はフレームの無いレンズのみなので頻繁に上げ下げすると
すぐに壊れそうで怖い。
なおAcer3DノートPCは有沢製作所のXpolフィルターを使っている(NECや富士通も同じ)が、ZALMAN用や下で紹介するSTEREOeYeオンラインショップで買える
円偏光メガネでは視差部分が若干シアン色に見え、完全互換ではないので注意が必要です。
■STEREOeYe 通販の円偏光メガネ
日本の3Dサイト「STEREOeYe」のオンラインショップに2008年ごろから追加された税込み1,000円の非常に軽い円偏光メガネです。
上記で説明したように、ZALMANモニターを見るには肌色の再現性やコントラストも程良くてよいのですが、NEC、富士通、Acer3DノートPCの有沢製作所製Xpol
フィルターとの相性は良くない。
そのデザインは、私はやはり「赤」に抵抗がある。
イベントなどで「3Dを観るぞ!」と気合を入れるときには赤でも黄色でも良いのですが、仕事部屋で編集しているときに暗転シーンでモニターに映った自分の
姿が、電撃ネットワークの南部虎弾みたいで嫌ですし、急に仕事部屋に誰かが入ってきたときなどはメチャクチャ恥ずかしい思いをします。
今後、黒フレームかグレーフレーム(直線偏光メガネと区別するため)のものが追加されることを期待します。
以上、3Dテレビや3Dパソコン付属(一部は別売りオプション)の3Dメガネのデザインを見てきましたが、3Dテレビに関して現在のところ
サムスンが一人勝ちしている理由として、「マーケティングの上手さ、価格の安さ」に加えて、3Dメガネのデザインも少しは影響しているような気がしてなりません。
日本のメーカーの今後に期待します。
■ Aiptek 3D HD ポケットムービーカメラのレッツコーポレーション版が便乗発表?しかし話が違うぞ!(2010年7月30日)■
このところメジャー企業から3D関連商品が発表されると、それに便乗してマスコミに取り上げられようとマイナー企業からも3D関連商品が発表されるのが通例になりつつありますが、
一昨日来、パナソニックからの家庭用3Dムービーカメラ、東芝の3Dレグザ、三菱の75インチ3Dレーザーリアプロ発表に合わせて、ニューサイト・ジャパンからは
低画質なレンチキュラーの割には価格が高いレンチキュラー3Dフォトフレーム(29,800円)とそれ用に写真を変換するソフトが新聞発表され、
台湾「Aiptek社」の低価格3Dムービーカメラを日本で輸入販売するレッツコーポレーションからは「サンデー・サンデー・ポケットHDカメラ」として正式に発表されました。
このAiptek製3Dカメラのレッツ版は、Aiptekのロゴが「LETS」に置き換わっており、また、新たなデモ写真やデモムービーも公開されました。
さて、米国向けのAiptekサイトにリンクされていたYouTube3Dでのデモ映像は
1.画質が悪い
2.左右の色が違う
という問題がありましたが、今回発表されたレッツ版のデモ・ムービーも、YouTube3Dということを考慮しても1280x720としては解像度が非常に悪く、
左右の色が違い、また左右の光軸が上下で8ピクセルもズレており、傾きも若干ズレています。
このデモ映像を見る限りでは、同じ台湾製とはいえ、高画質で評判の良い「GoProHD」のはるか足元にも及ばない画質ですが、GoProHDを使った3Dカメラは未だプロトタイプしか
作られていません。
また、左右の色の違いはSMMで自動補正できず、結局はプルミエなどで片側をクロップして色補正をして別名保存するか、ビデオスタジオならばSMMで左右を分離保存して
片側映像を参照しながらもう片方を色補正して保存してから再びサイドバイサイドに合成すると言った馬鹿げた手間が必要になってしまいます。
しかし、それ以上に大きな問題があります。それは、
「3D&バーチャルリアリティー展」での説明では『3Dムービーは片側1280x720のサイドバイサイド(つまり2560x720)で記録され、
HDMIから出力したときにSquashサイズに横幅が50%縮小される』ということだったのが、今回の正式発表の説明を読むと、記録自体が左右合成で1280x720サイズに
なってしまうらしい。同じSquashとはいえ、光学レンズ性能を含めて、パナソニックのようなフルハイ1920x1080と比べたらメチャクチャ画質が悪くなるのは当然。
ま、価格が予備バッテリー1個(つまり2個同梱)で29,800円と、パナソニックの3Dコンバージョンレンズだけの価格よりも1万円ほど安い「トイカメラ」的なものですから、
あまりシビアに評価しても意味は無く、飲み会などで1m程度の距離から友達を撮ったり、子供やペットを撮るには程好い立体感が得られるステレオベース4センチ、
すべてフルオート、一応1280x720のSquashed Formatで3Dテレビに繋いでも大きく見える、価格が安くて小さいので、気軽に防水ポーチに入れて海辺での撮影やプールで
水中撮影をしたり、ヘルメットに付けてバイクや車での「ドライバー目線」の3Dムービーを撮ったりする目的のカメラと割り切る必要があると思います。
3Dエロスとしては画質よりも臨場感優先の「お風呂場での防水3D撮影」と「男優のオデコに付けた男優目線3D撮影」にのみ限定して使用することを検討しています。
【2010.07.30補足】
「ITmedia デジカメプラス」に7月29日付けで掲載されたテスト情報によれば、撮影距離80センチで奥行き・飛び出しがゼロ(モニター面の位置)となり、最短撮影距離は
約20センチとのこと。パナの3Dレンズといいこのレッツ版Aiptek 3D HDカメラといい、寄りやアップの多さを期待されるエロ分野(プロ・アマを問わず)にはウケるスペック。
実際、3Dエロスの場合は、フェラチオシーンや性器アップシーンでは2台のキヤノンTX1をピッタリ寄せてほんの少しだけコンバージェンス(光軸を内側に向ける)させた
ステレオベース約32mm程度で撮っているが、それでも広すぎる。私はAiptek 3D HDカメラのステレオベース4センチを半分の2センチにする
ミラー式クローズアップ・コンバーターを自作することを検討している。
■ パナソニックが3Dアナモルフィックレンズ装着の3Dカムコーダーを8月発売、しかし...(2010年7月29日)■
パナソニックから、7月28日に発表すると公言されていた民生用3Dムービーカメラが公開された。
その方式は、3Dエロスが昨年来「中国よりも先に日本の企業が作ってよ」と呼びかけていた「3Dアナモルフィック・レンズ」。
【当コラム掲載記事参照】
2009年9月2日付け「■ 民生用後付け3Dアナモルフィック・レンズの可能性」
2010年1月30日付け「■ 安価で確実な民生用3Dムービーカメラ・レンズを考える」
アナモルフィック・レンズについては上掲の過去ログを読んで理解していただきたいが、最大のポイントは、
1.同期が難しい2センサー方式に比べて完全な左右同期と色の統一がとれる。
2.カメラ1台で済み比較的に安価に製造できる。
3.家庭用として1つのファイルで立体映像を管理できる。
4.フルハイ左右2画面に比べてパソコンでの3D再生が軽い。
ことです。
もちろん、スペック重視派の人々は「フルハイじゃないじゃん」と文句を言うと思いますが、そういう人はプロ用の200万円以上する3Dカメラを買うなり
自作すればよいだけで、パナソニックの今回のシステムは、総額で20万円しない実売価格で、家庭でも3Dムービーを撮って、3Dテレビで観て楽しむための
ものなのです。
また2チャンネルなどでは、海外の多くの優れた3Dコンテンツを見ても居ない人々が、BS11やスカパ3Dと同じ今回のパナソニックによるアナモルフィック・レンズの
「Squashed Format」(左右各960x1080に横幅圧縮記録し再生時に1920x1080xサイドバイサイドに戻す)を「低画質」と決め付けていますが、
撮影技術(特にライティング)やカメラによっては、このフォーマットでも3D化による見かけ上の画質改善効果で十分綺麗な3D映像ですし、
オーサリングなどが面倒な3Dブルーレイに比べて、YouTube3Dやネット配信するには便利なフォーマットなのです。
しかし、今回のパナソニックの3Dレンズにはスペックから見て次のような大きな問題があります。
1.ステレオベースが12mmと狭すぎること。
2.ズームが出来ずワイド端のみでの撮影になること。
3.最短撮影距離が1.2m以上必要なこと。
さて、国内からの情報よりも、事前のリーク情報を含めて、海外からの情報の方が多いのが現在の日本の3Dへの無理解を表していますが、
早速中国の「china3-d.com」に、国内よりも詳しい画像情報が掲載されました。
なお、パナソニックは、東京での記者発表の他に北海道札幌において、海外のメディアや3D関連企業を集めたセミナーを行ってそこで発表したようです。
それによると、
今回のパナソニックの3Dアナモルフィック・レンズの構造は左図のようなもので、2つの小さな対物レンズを通った映像を2つのアナモルフィック・レンズで
横幅のみを50%に圧縮して、ムービーカメラ本体の主レンズに送るようです。
このレンズ構成ならば、対物レンズの前に「クローズアップ・レンズ」を付ければ、最短撮影距離を縮めてアップ撮影が出来るのではないかとも思いますが、
可能かどうかは実際に試して見ないと分かりません。
なお、「ステレオベース12mm」については、世界企業であるパナソニックとしては、一般家庭のパパやママが様々な撮影条件で撮影しても3Dテレビで観るときに
無理の無い視差で再生される「安全策」を重視したからと思われます。
また、実際には「ステレオベースと立体感」の関係はまだ明らかでない部分も多く、ソニーが発表した「単眼3Dカメラ」や本コラムでも紹介している
アマチュア3Dマニアが制作した「サンデーさんの3Dカメラ」のような視差数ミリでも立体感を再現可能なのです。
私が実際に見たサムソン製3D携帯電話に搭載されていた視差13mmの3Dカメラで撮った映像も、22インチワイドモニターで見ると、結構立体感がありました
(ただしSD画質だったので人物の肌の質感や丸みは再現できていませんでした)。
また、国内情報では不明だった「3Dレンズ上部の蓋に隠された秘密」についても、この中国からの情報には写真が掲載されていました。
関連する国内情報と総合すると、3Dレンズ取り付け時に生じる「傾き」や「上下のズレ」を補正するための微調整用のダイヤルなどが収められているようです。
さらに今回パナソニックは、同社のマイクロ・フォーサーズ規格のデジタル一眼カメラ「LumixGシリーズ」用の「3Dレンズ」も発表しました。(下図参照)
こちらもステレオベースはビデオ用同様に12mm程度と思われ、実際の立体効果がどれほどのものかは不明ですが、
ムービー同様に左右が完全に同期した3D静止画が撮れる意義は大きいですが、既に同様の製品は香港の「Loreo社」からキャノンやニコンのデジタル一眼用の
3Dレンズが発売されており、Loreo社のものは色々と撮影条件が厳しく画質も悪く、縦アングルしか取れないという欠点があるため、実際の3Dマニアからは
あまり支持されていませんが、パナソニックのレンズはどうなのか不明です。
おそらく3Dでのフルハイビジョンムービーは撮れないと思います(もし撮れてしまったら誰もわざわざ大きくて重い3Dムービーカメラを買わなくなってしまうから)が、
実際にどうなのか、今後のレポートが気になります。
ともあれパナソニックは、積極的に3D製品を投入するのは良いのですが、3Dに関する部分の情報が少なすぎて、我々3Dマニアには納得がいかないし、
一般の人々をミスリードしてしまう危険性もあると思います。
もう少し充実した情報公開が望まれます。
さて、日本でもレッツ・コーポレーションから8月15日以降に発売予定の1台29,800円と非常に安価で1280x720xサイドバイサイドで撮れて、最短撮影距離も30センチぐらいまで
寄れる台湾「Aiptek社」製3Dムービーカメラを予約した人々にとっては、今回のパナソニックからの3D対応ムービーカメラのいきなりの発表はショックでもあり、
そのスペックや撮影可能距離や矮小ステレオベースが明らかになるにつれて、「3D効果の高さやコストパフォーマンスはAiptekだね」と安堵の声も聞こえてきていますが、
産業界では「既に飽和したデジカメ分野に、3Dを契機に、全く新しい企業が参入してシュアを奪う可能性もある」と言われていますので、
年末から来春に掛けて、ソニーをはじめ他社の動向が非常に気になります。
そして世界中の3Dマニアが望んでいるのは「一般の2Dカメラのフォーカスやアイリス機能と同様に、3Dにとっては最も重要なステレオベースを可変できる機能を
持った3Dカメラ」ですので、日本の技術力でそれを実現したモデルの登場を期待します。
【参考情報】
今回発表されたパナソニックの「HDC-TM750」(96GBメモリ搭載)は予想小売価格約16万円、「同 TM650」(64GBメモリ搭載)は約13万円、
別売りの3Dレンズは38,000円前後らしいので、年末にはかなり値下がりして買いやすくなっていると思われる。
■ 欧米の3Dコンテンツ制作者の学習能力は本当に高い(2010年7月26日)■
私も毎日チェックしているBloodyさんのブログに「You’ve Never Had it So Good Stereoscopic 3D Video」と題してイギリスのミュージカル舞台の
3D版トレーラーが掲載された。
Bloodyさんが絶賛するだけあって、確かに非常に上手くステージの臨場感を再現していて、まるでかぶりつきの最前列で見ているように見える。
もちろんステレオウィンドウもキッチリ守っていて、ステージの最前列にキャストが来て踊っていても端の人がギラギラと変に見えることも無い。
フォーマットはBS11やスカパ3Dと同じ、欧米でも3D放送用のフォーマットとして定着してきた
『サイドバイサイドの横方向を50%に圧縮して1920x1080のフル・ハイビジョンサイズに収めたもの』(Half Horizontal Resolution-Squashed Formatと言う)なのだが、
カメラが良いのかステージ照明が良いのか、横解像度半分、さらにZALMANなどの偏光インターリーブ式モニターでは縦も解像度が半分、つまりフル・ハイビジョンに対して
全体で1/4の解像度なのだが、3D効果のひとつである「見た目の解像度が良くなる」おかげで十分ステージ上の踊りや歌を楽しめるものに仕上がっている。
片や3Dフェアなどで見たBS11の「AKB48」の映像から受けていた印象は、上記と同じ解像度のはずなのに「画質悪いね」みたいな感じ。
2Dもそうだけれでも、3Dも結局はカメラマンと照明さんの技量如何で全体的な画質が決まってくるように思える。
ともあれ、ここ1年、いや、『アバター』のヒットと3Dテレビの登場からの半年で、欧米の3Dコンテンツ制作者の技量は驚異的スピードで高くなってきている。
1年前のコケオドシな3D映画のような(作品名はあえて挙げないが)頭が痛くなるような「飛び出してま〜す、凄いだろ、ビックリするだろう」的ないかにもアタマ悪るそ〜な
ものは影を潜めてきているし、撮影と再生における「レンズの焦点距離とステレオベース」や「ステレオウィンドウ」の重要性を数ヶ月で習得して、
そんな3Dならではの制限の中でどのようにすれば最大限の3D効果を上げられるかの段階に欧米の3Dクリエーター達は入っている。
それに対して、最近の日本のエロチック映画、蒼井そら主演の『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビvsストリッパー5』にオマケで付いてくるアナグリフ3D版シーンは、
20年ぐらい前のアメリカのアナグリフ3Dホラー映画のような陳腐でいかにも飛び出しまっせ的なもので、事前に3Dのことを少しも勉強した形跡が感じられない
低レベルなもの。スカパー・パラダイスチャンネルの3Dデモも同様。大昔に日テレで放送されていたシェリーの『オズの魔法使い』のアナグリフ3Dシーンの方がまともだったような気さえする(記憶は薄れてしまっているが...)。
唯一、S1の「3D 麻美まゆ」は、短時間・低予算な制作制限の中ではかなり頑張った撮影と編集だと思う。
(ただし、片側カメラのモニターだけで構図を取ったと思えるシーンも多く、センターが完全にずれているシーンも多いが、編集ではきちんと遠近を考慮した3Dモザイクも掛けられている)
それとて、欧米のものに比べればプロと小学生程度の技術差があるし、ストリート・ブレークダンサーの大会を撮った韓国の作品の方がはるかに技術力が高い。
このままでは、3Dをきっかけに「クール・ジャパン」としてコンテンツ分野での今までの日本の優位性は短命で終わってしまうかもしれない。
日本の3Dコンテンツ新規参入者たちは、Bloodyさんの「3D VISION BLOG」や以下のデンマークの3Dサイトなどで紹介される欧米の3Dトレーラーを参考にして、
もっと勉強して、早く欧米に追いつき、追い越してもらいたいと思う。
http://www.biohemmet.se/3dtrailers.php
※特に3Dの牽引役として3Dアダルトや3D着エロを制作する人は、このサイトの「Blandade 3D videos i HD」にまとめられている中の
「3D Bikini Car Wash in slow motion」などは参考にすべきと思う。もちろんAdult4D.comのサンプルも観るべし。
さて、今週はパナソニックから民生用の安価な3Dムービーカメラが発表されるらしい。お馬鹿な日本の映画・放送関係者よりも、勉強熱心なアマチュアやセミプロたちがそれを
手にして、どんどん欧米や韓国に負けない3D作品を作っていくことを期待したい。
■ 私にとっての今年の3D&バーチャルリアリティー展の目玉(2010年7月3日)■
既に閉会から1週間が過ぎてしまったが、今年から『3D&バーチャルリアリティー展』(旧名称は「産業用バーチャルリアリティー展」)に名称変更されたことで、
折からの3Dブームやシャープを筆頭に3Dテレビや裸眼3Dモニターの新製品情報が事前に流れていたこともあって、昨年とは全く別のイベントのような盛況だった。
3D関連ブースはどこも人だかりで熱気に満ち、昨年までは「キワモノ扱い」だった3Dがこれだけ注目されるようになったことには、長年3Dを行ってきた私にも驚きだった。
さて、メジャーなマスコミはソニーの3Dソリューションや、ニンテンドー3DSに搭載されるシャープの裸眼3Dモニターやクアトロン3Dテレビ、パナソニックの業務用3Dカメラ、
人目を引く大型の裸眼3Dモニターなどばかりを報道しているが、私としては次の2つの出展物が非常に気になった。
1つ目は、シャープの10インチ視差バリア裸眼3Dモニター。
立体視できるスウィートスポットをズレると、ゴーストに加えて若干モアレや黒い帯が出るが、スウィートスポット上では非常に明るくてシャープな立体映像が表示されていた。
さらにこのモニターにはタッチパネルも装着されていて、このモニターを搭載したネットブックを作れば、3D普及の最大のネックである「3Dメガネを掛けるのが嫌」
という問題を解決したモノとしてかなりヒットすると直感した。ハッキリ言って、au携帯電話「Wooo H001」を使っている私の結論としては3.5インチクラスの裸眼3Dモニターでは
全然迫力が無いが、7インチ以上、実用的なスウィートスポットの許容幅が視差バリア方式のほぼ限界の10インチまでならば、ゲームでも実写の3D映画でもかなり3D効果を実感できる。
情報端末機の世の中の流れは完全にiPadに向かっているが、「手持ち」を前提としたiPadは視差バリア方式の裸眼3Dには向かない
(スウィートスポットの掴み方に慣れれば大丈夫かもしれないが...)し、既に1ドルでiPadおよびiPhone用に販売されている擬似立体視ソフトの評価も「インチキな3Dだ」
と悪いのに対して、机などに置いて使うことが前提のネットブックは3D時のスウィートスポットが掴みやすく、実際の飛び出し・奥行き感もあり、
インターネットの3D化を大きく牽引する力になると思うし、
そのようなネットブックに3Dカメラが実装されれば、「裸眼3Dチャット」がすぐに当たり前の時代になる可能性もある。
また、今後各社から発売される3DカメラのHDMI出力を受けられる「HDMI入力端子」が付いて3D撮影のリアルタイム・モニターとしても使えるのなら、
少なくとも私は、2Dのネットブックが5万円ぐらいに対して3倍の15万円でも欲しい。
もうひとつの私にとっての目玉は、既にアメリカで8月15日からの発売が決まっている台湾AIPTEK社の「ハイビジョン3Dムービーが撮れる200ドル3Dムービーカム」が
日本でも8月から「レッツコーポレーション」から発売されること。
価格は「200ドル(約18,000円)」とはいかないものの、米国アマゾンからの個人輸入の送料や関税を考えるとそれよりも安い24,800円!(予約限定100台分に適用)。
既にYouTube3Dに掲載されているテスト映像では左右の色目の違いが気になるし、視差バリアモニターのスウィートスポットが異常に狭いし、ボディーの作りもチープでいかにも
200ドル3Dムービーカムといった第一印象なのだが、
3Dムービーのキモであるフレーム同期はかなりの精度で同期しているし、「最短撮影距離」もデモ機では30センチぐらいまでパンフォーカスが利いていたので、
かなり近接撮影もできそう(ステレオウィンドウ上の問題は編集時に直すとして)。
高価で大きなカメラではなかなか出来ないがこの安価で小さな3Dカメラならば「防水ポーチに入れての水中撮影やお風呂場撮影」やヘッドギアで頭に付けての「男優目線撮影」や
マクロ撮影用のミラー式アダプターも気軽に作れそうだし、バッテリーもフジフィルムやカシオと互換の安い「NP-60」が使えそう(正式にはノキア製携帯電話用のNP-60と互換らしく、
それをフジフィルム製デジカメで共用して使っている人も居るので、この3Dカメラとの互換の可能性が高い)。
「3Dで見る」分野はメジャーメーカーからの相次ぐ3Dテレビの発売やNDIVIA 3D Visionの世界的な攻勢に加えて、
「ZALMAN ZM-M215Wは非常に売れています」(美貴本ビーンズ担当者談)といった偏光インターリーブ方式の安価な3Dモニターの普及によって環境が整ってきたが、
3Dコンテンツが無限に増えるために必須の「3Dで撮る」分野は、静止画もムービーも低画質な割には高価なフジフィルム製3Dカメラしかない現状には、このような
「安くて、ハイビジョンで、誰にでも撮れるパンフォーカスで、ササっとYouTube3Dに投稿できる3Dカメラ」が必要なことは業界人は誰も否定しないのに、
それをいち早く製品化する日本企業が無く、この分野でも中華圏に抜かれてしまっていることは本当に残念に思う。
■ ニンテンドー3DSと裸眼3Dテレビの可能性(2010年6月20日)■
報道によれば『世界最大級のテレビゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)が米ロサンゼルスで15〜17日(米国時間)、開かれた。
初日は裸眼で立体映像が楽しめる新型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を発表した任天堂のブースに2時間半待ちの行列ができたほか、各社の最新ゲームが多数展示され、
多くの関係者でにぎわった。』らしい。
3Dマニアにとっては、ニンテンドー3DSが搭載する視差バリア方式の裸眼3Dモニターは目新しくもなく、既に2009年春に発売されたau-KDDI向け携帯電話機「日立Wooo H001」では
一歩進んだ「タテヨコ自在の格子状視差バリア式裸眼3Dモニター」が搭載されていたが、日立もKDDIもそれを活かすコンテンツ戦略を全く打ち出せず、フォーマットも公開されないまま
立ち消えしまったが、今回のニンテンドー3DSは、鉄板のゲームはもちろん、3Dムービーの配信、さらには自分でも3D写真や3Dムービーを撮影できる3Dカメラの搭載
などを含めた総合的な3Dビジネスのミニマム・インフラとしての戦略を打ち出してきたところが大きく違う。
技術的には優秀でも重厚長大で頭の固い(ビジネス的には単なるおバカな)日立と違って、携帯ゲーム機vs携帯電話やiPadとの世界市場での生き残りを掛けた戦いの中で、
新デバイスを最大限に有効に活用させるために柔軟な思考で立ち向かうニンテンドーとの差が大きく現れた感じがする。
さて、裸眼3Dモニターを搭載した製品が報道されると、一般の人は「3Dテレビも専用メガネ無しのものがすぐに発売されるのではないか」と思ってしまうし、
不勉強かつ現物を見てもいないマスコミ陣が、デジタル・サイネージ(電子広告)向けの低画質・狭視聴範囲の裸眼3Dモニターなどについても、
いいことづくめのメーカー側発表をそのまま報道しては一般人の誤解や裸眼3Dテレビへの期待を増大させてしまっている。
実は東京・幕張・横浜では、世界と比べてもかなりの頻度で定期的に最先端の3Dデバイス技術が見られるイベントが開催されている。
今月も23日から25日まで東京ビッグサイトで「第18回3D&バーチャルリアリティ展」が開催される(昨年までは「3D」ではなく「産業用バーチャルリアリティ展」の名称だった)ので、
マスコミ関係者はしっかり自分の目で見てから記事を責任執筆して欲しいものである。
現在実用化や開発実験が行われている専用メガネ不要の主な裸眼3Dモニターや3D投影方法は、
1.視差バリア方式(日立携帯電話Wooo H001、ニンテンドー3DS、フジフィルムの裸眼3Dフォトフレームなどで製品化されている)
⇒立体視可能な視聴角度が狭く、実用サイズは最大8インチぐらいが限界で、それ以上は少しの頭の移動でも3Dが破綻するか逆視が起こってしまう。
2.レンチキュラー方式(昔からある立体下敷きや立体シールのようなカマボコ型レンズをモニターに貼った方式で近々7インチ3Dフォトフレームが発売されるらしい)
⇒自然な3D感を出すには8台以上のカメラで撮影しなければならず、2視点画像からモーフィング等による中間画像生成による穴埋めでは3D画質が非常に劣化してしまう。
3.ライトディレクションコントロール方式(LEDバックライトのコントロールにより左目用、右目用に別々の方向性をもった光を時間差で放って立体に見せる)
⇒既にフジフィルムの3Dデジカメの背面モニターで採用されており、逆視が発生しないメリットがあるがコストがまだ高く、視差バリア方式同様に大型化が難しい。
4.NHKのインテグラル方式(レンチキュラーの発展型で昆虫の複眼のような多数の微細な複眼レンズで縦横斜めからも裸眼で立体視が可能)
⇒現在のハイビジョン同等レベルの画質になるには25年から30年掛かるとNHK自身が公表しているし、1秒で1テラを超えるファイル容量を保存・伝達するのも困難。
5.ホログラフィック方式(空間に3D映像を投影または出現させる)
⇒技術的には東大などが開発した超高速3Dレーザースキャンによってフルカラー化も実写動画の記録も理論的には可能だが、
インテグラル方式以上のファイル容量と背景を再現できないというデメリットからテレビのようなマスメディアには向かない。
レーザー干渉波によるリアルタイムな圧縮記録と伸張技術や通信の超高速化ならびに超微細プロジェクター技術が確立されれば50年から100年後にはホログラフィック立体電話、ホログラフィック医師・教師・受付嬢、
ホログラフィック・アダルトチャット、ホログラフィック・ストリッパーなどが民生品レベルでも実現するかもしれない。
つまりは、現在の専用メガネを掛けて見る3Dテレビや3Dモニターと同等画質や大きさを裸眼で達成する3Dモニターが製品化されるまでには、
全く新しい方法を生み出すような大天才が出現しない限りは、現在の技術に単に何十年という時間を掛けて超高度化・超微細化していくしか方法がなく、
ニーズに対するコスト・ベネフィットの観点からもなかなか進展が見られないのが現実と言える。
■ 富士通の3Dデスクトップは3Dウェッブカメラ搭載で15万円前後で発売(2010年6月10日)■
NECのCPU一体型デスクトップ・パソコンに続いて、富士通も同じようなスペックのCPU一体型デスクトップ・パソコンの2010年夏モデルに
『3D対応モニター搭載モデル』を投入し、特に20台のみの価格コム限定モデル「ESPRIMO FH550/AN」はナント151,724円の低価格。
3D方式はNEC同様に偏光フィルター方式で、
『FH550/3AMの3D対応液晶ディスプレイは、3D偏光メガネ(本体に1つ付属)をかけて見るスタイルの円偏光版方式を採用。
「Blu-ray 3Dタイトルの視聴」や2D映像を3Dに変換してDVDコンテンツを再生できる「リアルタイム3D変換」、
本体に2つのレンズを備えた3D-Webカメラで「3D映像を撮影可能」など、1台で視聴・変換・作成、3つの3D利用シーンが楽しめる。』としている。
また『テレビ機能は、2基搭載する地上デジタル放送対応チューナーで番組の視聴や録画(1TバイトのHDDを搭載、USB外付けHDDにも録画可能)、
Blu-ray Discなどへの保存に加え、Webカメラに手をかざし、チャンネル切り替えや音量操作、動画や音楽などを操作できる「ジェスチャーコントロール」機能も備わる。』
ところが新しい感じ。
しかしながら、3Dウェッブカメラは今どき30万画素x2個といった低スペックなカメラなので、立体電話や立体チャットにも、もはや低画質すぎて、
単なる飾りのように思えてしまう。
デザインもNECや他のデザイナーズPCとも言えるような今風デザインのデスクトップと違って、極めてオーソドックスなデザインであるが、逆に陳腐化せず、
主張しすぎない情報機器として部屋に溶け込んで良いかもしれない。
偏光フィルター方式の3Dモニターは、異業種であるZALMANの参戦以降、本当に安くなった。
3年前なら3Dモニター単体のみの価格が20万円以上もしたのに、CPUはコアi搭載で1テラのHDDで地デジチューナーもブルーレイ対応ドライブも載せていて
15万円台なのだから、まさに本格的な3D普及時代を実感させられる。
ともあれ、NEC、富士通と、3D対応の国産メーカー製デスクトップ・パソコンが発売されたことで、次はソニーのVAIOシリーズ、特に高度な3Dムービー編集機能などを
載せてくる可能性の高い「Rシリーズ」の動向が気になる。
■ 東芝の新3D対応ノートパソコン『ダイナブックTX/98MBL』7月下旬25万円前後で発売(2010年6月7日)■
NECのCPU一体型デスクトップ・パソコンに続いて、海外勢と真っ向勝負のNDIVIA 3D VISION同梱3Dノートパソコンが東芝ダイナブック・シリーズとして7月下旬に発売される。
個人的には「デスクトップパソコンにはNDIVIA 3D VISION方式、ノートパソコンにはXpolなどの偏光フィルター方式の方が絶対に向いている」と思うのだが、現実には全くその逆の
パターンで商品化が進んでいる。
ま、最近の傾向としては、ノートパソコンといっても実際に持ち歩く人は減り(iPadや携帯電話のブラウジングで済んでしまうから)、ノートパソコンが昔のデスクトップのような
使われ方をしているので、時代の流れと言えばそうかもしれない。
ノートパソコンでは「フルHDで3D」とはいかないが、逆に3Dテレビをメインと考えれば、NDIVA 3DTV PLAYをこのノートに入れて、見たいときにリビングの3Dテレビ
に繋げば(HDMIは付いているよね?)、少なくとも720pのハイビジョンで3D再生ができるという鑑賞モデルを想定しているのだろう。
このノートパソコンに安くなった外付けHDDを繋いで3Dコンテンツを貯めておけば、3Dサーバの代わりも兼ねさせることができるわけだ。
昨日紹介した1280x720pの3Dムービーが撮れる2万円の3Dデジカメをはじめ、フジフィルムのFINEPIX REAL3D W1も年内にハイビジョン化されたW2に進化して発売されるかもしれないし、
8月から年末までに中国勢を中心に安価な3Dデジカメが数種類発売され、シャープも自社開発したハイビジョンで撮れる小型カメラを携帯電話に載せて発売するだろうし、
メガネ不要で立体に見えるニンテンドー3DSや某社から裸眼3Dサブモニターも発売されるので、
年内には『3Dで撮る』『3Dで見る』『3DでYouTube3Dに投稿する』『3Dのサイトやブログを作る』環境が整い、ネットから3D新時代が本当に始まる。
■ ハイビジョン720pで3Dムービーが撮れるYouTubeCam、199.99ドルで8月15日発売(2010年6月6日)■
2ヶ月ぐらい前のどこかの国で開催された展示会(何といい加減な情報)で発表されていた、台湾製ハイビジョン3Dムービーデジカメが、当初の噂よりも安い
199.99ドルで8月15日に発売される。
既に米国アマゾンには予約販売の形で掲載されている。⇒ Aiptek 3D-HD High Definition 3D Camcorder (Black)
Aiptek社の米国向けホームページを見ると、何と中国本土の「Inlife-handnet社」の3DフォトフレームSDP818も扱っている。
近年、台湾製カメラユニットやHMDディスプレイユニットの高画質化は目覚しく、VuzixのVideo iWear WRAP 920"のモニターユニットも台湾製らしいし、
高画質で評判の良いヘビーデューティーHDカメラ「GoProHD」のカメラ部も台湾製らしい。
そしてこのお手軽なHD3Dムービーデジカメの登場。
詳細なスペックはまだ不明だが、撮影画素(CMOS)は500万画素で、モニターは2.4インチのメガネ不要の裸眼視差バリアモニター。
118×72x23 (mm)の小ささとバッテリーを含めて 250g の軽さ。
72mmの横幅からレンズ間距離(ステレオベース)を推測すると、おそらく40mm台。
フォーマットも最近の中華圏のこの手のものは「サイド・バイ・サイドのJPEG静止画とH264/MPEG4/AVI」だと思われるので汎用性は高いはず。
固定焦点(パンフォーカス)の最短撮影距離がどのくらいかが非常に気になるが、「GoProHD」と同じ50cm、明るい屋外なら30cmぐらいまで寄ってもピントが来れば、かなり使えると思うし、
なんならミラーと凸レンズを使った「マクロアダプター」も作りやすそう。
バッテリー駆動時間は2時間(実際はその半分かな?)、USBコードで充電する。撮影データもUSBコードでパソコンに転送可能。使用できるSDHCカードの上限は32GB。
HDMI出力を備えているので、そのまま3Dテレビに繋いで立体再生できるらしい。
付属ソフトとしては、撮影した3Dムービーを簡単にYouTube3Dに投稿するための変換プログラムや、普通のパソコンモニター上でアナグリフメガネで見るためのビューアーソフトなど。
ムービー主体のためストロボは無いし、1280x720pはおそらく30コマと思われ、60p派には物足りないが、この狭いステレオベースなら近接撮影も出来そうだし、
2万円しない安さと、出っ張りの少ないボディーなので「防水ポーチ」にも入れ易そうだし、シャッター同期が本物ならば、早速、バスルームでのモデル撮影に使ってみたい1台です。
当然、M字開脚したモデルさんがこのカメラめがけてオシッコするような超オバカでコテコテなお決まりの3Dシーンも撮るでしょう(オシッコマニアはお口を開けてお待ちください)。
しかし、3D分野は、映画やコンテンツはアメリカ(3Dアニメの一部は中国で制作されている)、3Dテレビと3Dモニターは韓国、3Dカメラは中華に完全にもっていかれてしまっている。
「パラダイス・テレビ」のようなメチャクチャ酷い3Dコンテンツは例外で、ソニーPCLやNHKはまともな3D撮影技術を蓄積しているしIMAGICAの3Dチームもがんばっているし、
その辺のノウハウやコツをソフト・オン・デマンドなどの優秀な撮影クルーがすぐに掴むだろうし、あとは「画質の良い3Dデジカメ」と
「自動コンバージェンスとアップが撮れるハンディーなハイビジョン3Dカメラ」の民生レベル製品が出れば、日本人もすぐに追いつくと思うのですが...恥ずかしげも無くあんなヒドイ
3D映像を出してくる「パラダイス〜」が日本の平均的な職業映像関係者のレベルだとしたら、もう日本人映像関係者に期待するのは無理なのかな?
いやいや3D界にはアマチュアやセミプロに凄い人たちがいるからまだ大丈夫だろう。
【補足】2010.06.07
大きさのイメージが掴めないと思われるので、米国アマゾンに掲載されている「手に持った状態」の写真を追加。
これを上下逆さにしてヘッドバンドでオデコに着けて「八つ墓村」状態で撮れば、シャープの小型カメラユニットを使ったステレオカメラの登場を待たずに「男優目線ポルノ」が
撮れるかも。
■ 国内での3D版AV普及に不可欠なもの(2010年6月5日)■
3Dブームに乗って、地上波では出来ない3D放送や3Dコンテンツ、特に、過去の成功体験を基に、3D版AVコンテンツを発表するところが増えている。
例えば、3D版ブルーレイが3Dへのオーサリングの問題などから『AVにはちょっと敷居が高い』こともあり、手っ取り早くDVDにサイド・バイ・サイドとアナグリフと通常の
2D版を詰め込んでパッケージ化して発売するエスワンとか...大体昨年まではキワモノ扱いだった3Dとか3D版AVといった情報が経済専門メディアに載ること自体が
全く考えられなかったのに大きな様変わりだ。
また、地上波や他の動画配信サイトと差別化するために、泥縄でメチャクチャ酷い視差の3Dコンテンツを作って公開したスカパーの中の有料チャンネル「パラダイス・テレビ」
(懐かしいな、10年前に知り合いのモデルがレギュラーで出ていた)とか...
既に部分的に3D版を投入しているソフト・オン・デマンドの作品もチラッと見たが、どれもまだ「モニターから飛び出せばいい」みたいな雑な作りと、カメラのステレオベースの
制限から「アップが撮れない」みたいな問題がある。
そして次に大きな問題が、国内では刑法第175条をクリアするための「モザイク問題」が押し迫っている。
経過的には、「着エロ」路線でいくか、大昔の「日活ロマンポルノ」みたいに、隠すべき部分の前に「花瓶とお花」みたいなレイアウトで撮ったり、性器が見えないアングルから
撮ったりといった方法でカバーすることが考えられるが、既に極小モザイクが当たり前のセルAVなどではマーケットが認めてくれないだろう。
で、3D版の普及に際しては、2Dと同じくモザイクが不可欠となるが、これが簡単ではない。
2D版では、映像の「縦軸(Xとする)と横軸(Yとする)の座標からモザイクを掛ければよかった」のが、3D版の場合はさらに「奥行き・出っ張り軸(Zとする)」も加味した
座標からモザイクを掛けなければ、モザイクが人体にめり込んだり、人体からはるかに離れた手前にあったりして非常におかしく見難いことになってしまう。
そこで必要なのが、XYZの3軸でムービング・モザイクが掛けられる編集システムなりソフトの必要性。
できれば、特定の部分を指定すると、映像認識ソフトが左右の視差からそのXYZ軸を自動で計算して割り出し、動きを自動追尾しながら、常に人体の1センチぐらい前部に
モザイクが掛かるようなシステムが日本には必要になるだろう。
あるいは、共産党一党独裁国家の中国でさえ、既に何年も前から写真のような性器露出やもっとワイセツに性器が露出している「裏本」のようなポーズの静止画もムービーも
認められている現在(写真は中華人民共和国情報産業の部ICPの許可証:07000363号を得ている「METCN.COM」の作品から)、
ころころと解釈が変わりそのつど世界的に有名な写真家などが逮捕されて逆に宣伝に使われたりしている日本の刑法第175条自体の見直しも考える必要がある時期になったのではないだろうか。
どうせ国内発売から何ヶ月かすると無修正版がアメリカ版DVDとして発売されたり、ネットで配信されたりしてしまうし、あるいは他の産業分野と同じく、
規制と税金が高い日本から本社機能をアメリカやヨーロッパの国に移転して、海外発信・海外発送によってモザイク掛けの必要の無い和製3Dコンテンツを作っていき、
2D版同様に世界制覇するか...
ちなみにちょっと前に「アキバ系」を自認して首相になった人がどこかの国に居たが、海外で人気の和製コンテンツは、テレビで放送されるアニメやコミックばかりでなく、
AV作品や「HENTAI」と呼ばれている同人系ロリ絵などのハードエロな2D漫画であることをあの人は知っていてアキバ系を自認していたのだろうか...
■ 三菱、3D対応75インチ・レーザーリアプロ国内投入!(2010年5月31日)■
2008年秋の幕張「CEATEC2008」で、米国市場向け65インチのプロトタイプが発表され、パナソニックのプラズマ3Dテレビと画質の良さを競った(当時はまだ両社共に
今のような注目を浴びなかったが)三菱の「3D対応レーザー・リアプロテレビ」が、3Dブームの追い風に乗って、75インチに巨大化されて国内発売もされるらしい。
2年前のプロトタイプでも、「赤の発色の良さ」に私は非常に驚いたし、プラズマ同様に応答速度の速いレーザーによる3Dは、チラツキもクロストークもパナソニックと比べても
何ら遜色の無い3D画質で、私が抱いていた「リアプロ式テレビの画質の悪さ」を完全に払拭するものだったことを覚えている。
そして、その強みは何と言ってもリアプロならではの大画面化が安く出来ること。
前モデルの65インチを先行投入したアメリカでは、当初3千ドル台だったように思うがその後さらに実売価格は安くなっていたはず。
大画面のリアプロを好むアメリカ人と違って、日本ではそう間単に売れて安くはならないだろうが、75インチはまさに「ホームシアター」。
いちいちシルバースクリーンを伸ばして、プロジェクターをセットして、冷却ファンの音を気にしながら見るのではなく、スイッチポンで75インチの3D大画面が広がる世界は、
20世紀に思い描いた「夢の未来」の到来を感じさせる。
もちろん、この75インチを明日すぐにでもリビングに置ける家庭はそう多くはないと思うけど、2Dテレビとしても遜色の無い画質(2年前の65インチプロトタイプを見た限りでは)
だし、IT長者とか家電芸人とか、セレブリティーズとしての象徴的な家電になるような予感がする。
ともあれ、75インチあると、フツーの女性が横に寝た全身が実物大で収まってしまう。それが3Dで見えることを考えるとヤバ過ぎるし、SODなどのAVメーカーがさらに
3D版AVに本腰を入れるインセンティブになっていきそうに思う。
少なくとも私は、パナでもソニーでもなく、この三菱75インチ・レーザーリアプロを自宅なり事務所に置く3Dテレビの最終目標にしようと思うし、近い将来は、
これで編集結果を見て満足できるようなフルハイビジョンの3Dコンテンツを作って行きたいと思う。
でも、この液晶シャッターメガネ、パナと同じっぽくない?
【補足】2010.06.03
本日付けの「NIKKEI TRENDY NET版」にこの三菱製3D対応75インチレーザーリアプロテレビのファーストインプレッション記事が掲載されました。おおよその印象は、私が2年前の65インチ
プロトタイプを見たときのものとほぼ同じ。ただし、75インチへの大型化による弊害として、周辺光量の低下と全体的に白の輝度低下があるようですが、映画好きには向いている
「フィルム画質」と評しています。また、パナみたいな液晶メガネについてもその謎が明らかにされています。
■ 次の波は大衆向けの3Dカメラと3Dアプリだ(2010年5月29日)■
4月後半から3Dに関するニュースが連日のように発表され、とても全部をフォローしきれなくなってきた。
単にニュースのヘッドラインのみならば、国内では「3D3D.jp」に毎日新しいニュースの概要が載るので、
そちらを参照していただきたい。
本コラムでは、メーカーなどからのプレスリリースを単に引用するのではなくて、それが3D視聴者にとってどんな意味や価値を持つ製品やサービスなのか、同時に、
3Dコンテンツ制作者にとってもどんな意味と価値のある製品なのかをウェブマスターの基準で吟味し選択した上でコメントを含めて掲載していきたいと思います。
さて、3Dテレビや3Dパソコンについては、実際に量販店にデモ機が並び、3D効果を体験する人が増えるにしたがって、発売前に多かった「否定派」の意見は少なくなり、
ほとんど影を潜めてしまったし、メジャーメーカーによる3Dテレビに加えて、国内パソコン・メーカーも3D対応製品を具体的に投入し始めた。
そうなると次のステップは、過去のインターネットでもデジカメでもDVDでも普及の牽引力がそうであったように、「自分でも撮れる3Dカメラ」へのニーズの高まりである。
その1つの大きな動きとしては、今年の暮れのボーナス商戦までに投入される「ニンテンドー3DS」に搭載する裸眼3Dモニターに続いて、シャープが自社製携帯電話や
3Dノートパソコンやニンテンドー3DSのオプションカメラユニットとしての利用を考えていると思われる「ハイビジョンで撮影可能な3Dカメラユニット」を5月12日に
発表したこと ⇒ その詳細はシャープのプレスリリースを参照。
この「小さなステレオベースの3Dカメラユニット」は、既にプロ用ハイビジョンカメラ2台によるステレオ撮影でAV作品を出したソフト・オン・デマンドの作品が、
プロ用カメラ2台という大きなステレオベースの縛りから近接撮影が出来ず、結果、「アップが無くてガッカリ」といった悪評しかないことへの解決策にもなりえるもので、
2Dのようなドアップまでは無理でも、顔や胸やお尻と前の部分の横幅40センチぐらいの範囲までのアップ撮影は可能であると思われるし、
防水3Dカメラやヘッドマウント3Dカメラなどで「どこでも男優目線の3Dポルノ」が簡単に撮れるようになる可能性や、
3Dウェブカメラに転用すれば3Dアダルトチャットを爆発的に流行らせる可能性を秘めている。
携帯電話への搭載を前提とすれば製造台数も多く、当然にこの3Dカメラユニットの製造コストは安くなり、他の3D製品への転用も広がる。
さて、本コラムの過去ログで既報のとおり、中国の3D専門企業「Inlife-handnet社」は昨年夏ごろからハイビジョン・ムービーも撮れて外部ストロボが使えてマニュアル撮りも
可能なハイエンドな3Dコンパクトデジカメをフジフィルムの3Dデジカメ「PHINEPIX REAL 3D W1」よりも少し安い価格で発売すると公言してきたが、
その発売時期が昨年12月から今年の春に延期され、さらに6月に延期され、そしてつい最近の情報では、さらに延期される見通しとなってきた。
それに代わってというか、ハイエンドモデルの情報を流す裏で極秘に開発が進められていたらしい普及型のコンパクトな3Dデジカメを先に発売して3Dデジカメ市場のシェアを
確保する戦略のようだ。
そんなマーケティングの背景には、日本でも欧米でも、フジフィルムのW1は価格が高い割には低画質で評価が低く売れていないことから、ハイビジョンで撮れるとは言っても同じような
価格帯での製品はリスクが高く、より安価で誰でも撮れるフルオートかつ固定焦点(パンフォーカス)の方が3Dには向いており、かつ、YouTube3Dへの投稿などにも
「誰にでも買える価格で、いつでも持ち歩ける大きさで、失敗無く3D写真とハイビジョンな3Dムービーが撮れる」カメラの方が確実に売れると判断し、その結果、
安価なコンデジを先に市場投入し、マニア向けのハイエンド機や後付けアナモルフィックレンズの発売を後回しにしたのだと推察する。
ちなみに上掲のコンパクトでカラフルな3Dデジカメ「HDC820」の価格は欧米では2万円台と報じられている。
そして、3Dカメラの次には、それで撮影したものを、どのように加工し、どのように利用するかのアプリケーションへと、3Dのビッグウェーブは波及していくと思われる。
3Dアダルトサイトは言うに及ばず、ハイビジョン化によって現在最も収益を上げている「アダルト・チャット」業界がいち早く3D化していくことが考えられる。
『パンツ脱いでお尻をこっちに突き出して見せて』とお願いすると、チャットレディーがパンツを下げてモニター画面から飛び出すような位置でお尻を突き出してフリフリして
見せることも、既に現在の技術で可能なところまできている。
20インチクラスの3Dモニターならば、ほぼ実物大のリアルなお尻が、リアルタイムにモニターから飛び出して見える時代の到来で、
セックス産業や出生率がさらに大きく変わってしまうかもしれない。
■ ZALMAN フルHDニューモデル「ZM-M215W」はナント355ドル(265ユーロ)でヨーロッパから発売開始!?(2010年4月3日)■
本コラムの過去ログで既報のとおり、ZALMANからインターリーブ偏光方式の2D/3D兼用液晶モニター「ZM-M220W」の後継機種として21.5インチワイド画面のフルハイビジョン版が近々発売されると報じましたが、英語圏では3月26日に正式発表が行われたようです。
フルハイビジョンパネル21.5インチ、デジタルコンテンツ保護のHDCP対応に進化して、価格はナント驚きの「355ドル」(ヨーロッパ先行発売のようなので正しくは265ユーロらしい)という超低価格なことです。
日本円にして本日の為替レートで33,968円!
主なスペックは以下のとおり。
Display部
・Size 55 cm / 21.5 inch(Full HD)
・Screen Ratio 16:9 wide
・Max Resolution Full HD 1920 x 1080
・Response Time 5ms
・View Angle 2D View Angle : 170°(Horizontal) / 160°(Vertical)
・3D View Angle : 90°(Horizontal) / 10 ~ 12°(Vertical)
入力部
・Horizontal Frequency 30 ~ 83 KHz (Digital)
・Vertical Frequency 56 ~ 75 Hz (Digital)
・Video Signal Analog RGB / DVI
・Video Ports 15pin D-Sub / DVI / Audio In
電源部
・Power Consumption 40watt
・Vertical Frequency 1watt
・Voltage 100~240V Free Voltage
・Plug and Play DDC1/2B
・Power Type Built-in Power
サイズ:Dimension 531 x 382 x 200mm (W x H x D)
重量:Weight 4Kg
色:Color Black
新たに著作権保護されたデジタルコンテンツを見るためのHDCPに対応し、バンドルソフトは「StereoscopicPlayer for ZALMAN Edition」。
マニュアルでは「スピーカー内臓モデル」と「スピーカー無しモデル」があるようだが詳細は不明。
NDIVIAやiZ3DなどのステレオドライバーもこのZM M215Wに対応するらしい。
3Dエロスが使用している ZM M220Wが3年前の発売価格が9万8千円でそれでも3Dモニターとしては「超安い」と驚いたものですが、NDIVIAの液晶シャッターメガネシステム対応の120Hzモニター陣営(3Dメガネキットが約2万円+モニターが約4万円の合計約6万円)との熾烈な戦いの中で、今回の3万円台前半という価格は非常にアッパレな価格戦略だと思いますし、3Dで見るコンテンツが増えるに従って視聴時間が長くなるほど縦の解像度問題なんかより「メガネが明るくてチラツキ無しで疲れが少ない」ことのメリットは大きいし、実際、3Dコンテンツの製作現場では普段はインターリーブ式偏光モニターを使っていて、液晶シャッターシステムは完成試写のときにしか使わないと思うのですが...しかし残念ながら低価格ゆえにHDMI端子は無く、入力は従来どおりDVIとアナログD-Sub 15ピン。
ともあれ、国内発売が決まったらすぐに「3D鑑賞方法」の推奨システムとしてのZALMAN3Dモニターの説明部分をアップデートします。
■ Google、Yahoo、YouTube も3Dに意欲的!(2010年4月1日)■
4月1日のエイプリルフール・ネタなのか継続的なことなのか分かりませんが、家電に続いてネット界も3Dへの意欲的な動きを見せ始めました。
Yahoo Japanは3D版(3Dっぽく見えるだけですが)を復活。これが2視点出力できるようになれば3DCGではなく本当のs3D(ステレオ3D)になって、
ZALMAN3Dモニターや今後発売されるメガネ不要で立体に見えるモニターなどで立体映像で見られるわけです。
実は検索エンジン各社に「3D」カテゴリーの創設をオファーする動きがありますが、今後はさらに3DCGとステレオ3Dを区別して検索できるような整理が必要だと思います。
Google Mapもストリート・ビューに「3Dモード」が付きました。立体視方法はお手軽な「赤青メガネのアナグリフ」ですが、将来、左右2視点出力が出来るようになればメガネ不要の
3Dモニターで立体視できるようになるのでしょう。
You Tube は既報のとおり2009年から非公式にs3Dに対応しており赤青メガネやミラー式ステレオビューアーをはじめZALMAN3Dモニターならそのまま円偏光メガネで立体視
できますし、現在、YouTube3Dをそのままメガネ不要で立体視できる3Dモニターとソフトが開発されつつあります。
サイドバイサイドの3D映画のトレーラーや撮影・編集技術的にもかなり優秀なプロが制作した3D動画作品が投稿されていますが、
今後ハイビジョン画角の3Dムービーを簡単に撮れるデジカメが発売されれば、2Dと同じように様々な3D動画作品がYouTubeに投稿されていくと思います。
ニコニコ動画もおそらく将来何らかの3D対応を図っていくと思います。
まだまだ一般の人々の3Dに対する印象は「飛び出したり奥行きが感じられる映像」といったものですが、本コラムで何度も提唱しているように、3Dの大きな魅力のひとつが
2Dでは再現できない被写体の質感の再現力です。人々やクリエーターがそのことに気が付いてくれば、質感再現性を活かした3Dコンテンツが一気に増えて楽しくなると思います。
テレビ、映画、インターネットと3Dが話題ですが「3Dって流行るの?」と懐疑的な意見がまだまだ多く見られます。
が、カラーテレビが出始めた1960年代、軽自動車が買えてしまう価格に「カラーテレビなんて要らね」と言っていた多くの人々は今でも白黒テレビで見ているのでしょうか?
3Dで見たくなければ2Dで見れば良いだけのこと。デジタルカメラが登場するまでは世の中にこんなに多くの映像があふれることなんて考えられなかったのと同じように、
普及価格の3Dデジカメとメガネ不要の3Dモニターが登場すれば3Dコンテンツも無限に増えてくると思います。
(コラム中、意見の部分はあくまでもWebmasterの個人的見解です)
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2009年
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2010年1月〜3月
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2010年4月〜7月
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2010年8月〜12月
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2011年1月〜6月
過去ログ「3D関連最新情報トピックス」2011年7月〜12月
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